「くちびるに歌を」 1巻 モリタイシ 原作・中田永一

くちびるに歌を 1 (少年サンデーコミックススペシャル)くちびるに歌を 1 (少年サンデーコミックススペシャル)
中田 永一 モリ タイシ

小学館 2013-09-30
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 「いでじゅう」以降、全敗だったモリタイシの原作付き新作。これは非常にいい出会いをしたと思う。
 人間の心にモヤっと暗い影が降りる描写とモリタイシはとても相性が良い。

 「まねこい」は論外だったが、「RANGEMAN」は偶然にも打ち切りによる描写の省略が奇跡的にまとまりの良い終わり方にはなりはしたものの、ずっと見えていた本来の着地点とはぜんぜん違う終わり方だったのがとても残念だった。
 今回は原作小説がある。それも、とても優れた青春小説。原作の中盤から終盤にかけての疾走感は半端無かった。
 軽さと重さを同時に表現できるモリタイシなので、非常に期待して2巻以降を待ちたい。

 でも、あの帯の乙一のコメントは少しハズしすぎでは。。少しでも小説に興味がある人ならば、中田永一乙一が同一人物なのは知っているわけだし……。