夜空の王子と朝焼けの姫 袴田めら

 百合コミック界の星、袴田めらは必ず物語に決着をつけるから読んでいてとても気持ちがいいんです。
 それは感情だけだったり、感情は曖昧なんだけど物語には区切りと付けたりとそれぞれ違ったりもするんだけど、とにかく締めくくろうとするから、こっちもすっきりするんですね。
 同時期に読んだ乙ひよりの 「かわいいあなた」 も百合コミックとして大変面白かったんだけど、すべてがフラットなまま終わってしまう短編もちょこちょこあって。
 叙事にしろ叙情にしろ、短編はテーマと決着を示したときに伝わってくるものがいっぱいあるんだと思います。

 「キリンの首は長すぎる」 でニヤニヤ、「彼女の猫は夢の番人」 でシビれて、「放物線を描く花」 はもし前後編だったらもっと泣いていました。


夜空の王子と朝焼けの姫 (IDコミックス 百合姫コミックス)

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