「ヘレンesp」 2巻 木々津克久

 
 おお、終わってしまった。完結です。

 この世のあらゆる悪意に対して平等に向き合える存在として、主人公のヘレンは居るんだろうなあ。目、耳、口が不自由な彼女は最も弱いけれど、そこから始まる彼女の世間に対する常にフラットである接し方が、彼女を最強の存在にするんだろう。

 2巻の号泣ポイントは、やっぱりヴィクターでしょう。ヘレンの盲導犬、ヴィクターの回はひねりが無いながら、やっぱり泣いてしまった。飼い犬の名前がヴィクターってだけで、his master's voiceみたいで泣けると云うのに…。
 地球史上、唯一人間の味方になってくれた動物、犬。ありがとう! やっぱり犬には泣かされる。

 全2巻も、この漫画らしい気もしますね。とても小さい宝石だけれど、決して失われない輝きがあります。素晴らしかった。 

ヘレンesp 2 (少年チャンピオン・コミックス)

ヘレンesp 2 (少年チャンピオン・コミックス)