「夏の前日」 3巻 吉田 基己
夏の前日(3) (アフタヌーンKC) | |
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いかに愛し合っている恋人がいようが、汚れきった肉体関係だけの相手がいようが、眺めているだけで心が満たされて想像が無限に広がっていく女性の存在というのは、男ならば誰でもかならずいる。
通勤電車でたまに見かけるいつもタイトジーンズの若い女性、漫画専門の小さな本屋のレジに居る眼鏡をかけた女性、職場の近くでよく見かける夏でもカーディガンを着ている女子高生。
僕と彼女たちとは一切何の接点もないんだけれど、僕は彼女たちをチラチラと見つめ、その仕草一つから無限のストーリーを想像していく。
ただ、これは絶対に本当に知り合ってはいけない。そこで全ては自分の地表にくだらなく降りてきて、そしてくだらない現実になっちゃう。
本作の主人公、青木はずっとずっと温めてきた眺めているだけの女性と遂に知り合ってしまう。彼女の誰でも云うであろう普通の一言に、青木の想像は物凄いスピードで冷めていく。その残酷さには、本当に震えました。
わ〜、これはこれからどう展開すんだろ。絵を描くってほんとに大変ね。
次巻はまた一年後の夏の少し前かな……。おそっ!待てない!!